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糖尿病の治療総論

 糖尿病の治療の目的は,言うまでもなく血糖値をなるべく正常化していろいろな合併症がおこらないようにすることです。 しかし一時的に血糖値を下げるだけでは片手落ちで,永続的に,しかも将来的に悪化しないような治療を選択しなければなりません。 今は血糖値がよいからといって,誤った治療は将来的に血糖コントロールが非常に困難となる可能性があります(インスリン注射をしても血糖コントロールが困難になります)。

 糖尿病の治療には次の3つが大きな柱になります。
   @食事療法
   A運動療法
   Bくすり(経口血糖降下剤やインスリン注射)

 ここで,最も大切なのは@の食事療法です。 ほとんどの場合食べ過ぎが原因で糖尿病が発症しています。 これをしないで薬に頼ると,糖尿病はどんどん悪化します。 また現代人の運動不足も糖尿病の原因になっており,Aの運動療法もおろそかにしてはいけません。
 比較的軽症の糖尿病の場合は,最初から薬を使用せず@とAのみを行います。 これだけで血糖コントロールが良好になる方は結構多いのです。 これが理想的な形です(ただし,医者はもうかりません)。
 しっかり@とAを実行したうえで,どうしてもコントロール不良の場合に,Bの薬物療法を行います。 経口血糖降下剤かインスリンか,どちらを選択するかは患者さんによって異なります。 詳しくは上の「薬物療法」のボタンを押してください。
 中等症以上の糖尿病では,最初から薬物療法を併用します。 そして血糖コントロールが良くなっていけば,徐々に減量していきます。 また,急激に血糖を下げるのも眼底出血などを誘発するので,細心の注意が必要です。