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 院内の血液・尿検査機器(尿一般・血糖・HbA1c)

HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)について

基準値 : 4.0〜5.5% (この範囲だと糖尿病ではない,または全く良好な血糖コントロールができている)
目標値 : 7%以下  (糖尿病の合併症を防ぐには,この範囲で維持する必要がある)
        糖尿病の患者さんは,この7%という基準を必ず覚えておいてください。
        ラッキーセブンと覚えてください

        当院のマスコットキャラクターについている「」もこれを示しています。

当院では採血後,5分で結果がわかります
 当院のもっとも特徴のある検査です。糖尿病の診断・経過観察には必ずといってよいほど必要な検査で,1回の血液検査で,過去1〜2ヵ月間の血糖値が平均してどの程度よいか,悪いかがわかります。 血糖値は常に大きく変化しますので,1回の採血では糖尿病の程度は判定できません。 当院では,測定器を導入することにより,5分間で結果がわかります。 つまり,初めての患者さんでも,糖尿病の有無,またその程度がすぐに診断できます。 多くの病医院では(かなり大きな病院でも),これほど結果が早くわかるシステムを採用しているところは少ないと思います。おおむね結果がわかるのに1-3日ほどかかります。 現実には,次回の受診時まで知らされないのが現状です。

HbA1cの原理(読み飛ばしてください)
 なぜたった1回の採血で,この様なことがわかるのでしょうか。 ご存知のとおり血液中には赤血球や白血球などの球状の成分があります。 このうち赤血球には,鉄を含んだヘモグロビン(Hb)という蛋白成分が含まれています。 このHbにもいろいろな種類があって,そのなかにHbA1cも含まれます。 このHbA1cは周囲のグルコース(ブドウ糖)の影響を受けて,少しづつ変質します。 そして,その変質する程度は,グルコースの濃度によって異なってきます。 血糖値が高い時間・程度が強いほど,強く変質します。 HbA1cは,この変化の割合を測定しています。 そして,赤血球の寿命は約120日で,常に生産・破壊が繰り返されています。 そのため,HbA1cは,およそ1〜2ヵ月間の血糖値が平均してどの程度良かったか,悪かったかがわかるのです。 

HbA1cの値の考え方
 このページの上に,HbA1cの基準値と目標値を記載しています。 そこにも記載していますが,おおむねHbA1cが7%までは網膜症や腎症などの合併症が進みにくいといわれています。 そして7%を越えると合併症が進行するスピードが急激に加速されます。 10%で5年間経過すると,まず間違いなく網膜症が出現すると考えてください。 ただし,このスピードは個人差が大きく,高血圧を合併しているとより速く進行する傾向にあります。
 また年齢にもよっても,どの程度厳格な血糖コントロールが必要かが異なってきます。 30歳代なら平均寿命から考えて,今後50年の間に失明や人工透析になるのを回避しなければなりません。 若年者ほどより厳格な(HbA1c<6%程度)血糖コントロールをして行くべきです。 かといって,高齢者で網膜症もないからといって,コントロールをいいかげんにしていると(HbA1c=10%など)神経障害や血行障害から,足の壊疽で切断を余儀なくされたり,肺炎や腎盂腎炎などの感染症に罹患したりと,ろくなことはありません。