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眠くなってきました？糖尿病の原因
環境因子
１．過食 （体によいからといって，健康食品や牛乳などを多くとっても過食です）
２．肥満 （過食の結果ですが，子供のときの肥満は改善しにくいです）
３．運動不足 （毎日３０分，早歩きしましょう）
などなど
遺伝因子
親が糖尿病であると，子も糖尿病になりやすいのは確かですが，多くの場合は親が過食だと子も過食のことが多いようです。 糖尿病の原因と考えられる遺伝子も，見つかっていますが，わたしはかなりの部分が環境因子で克服できると思います。
血糖値を下げるホルモン －インスリン－
まず，インスリンについて触れておきましょう。 ご存知の方も多いと思いますが，血糖値をさげる働きをするホルモンが，インスリンなのです。 インスリンは膵臓にあるＢ細胞から分泌される内分泌ホルモンで，血液中に入ってグルコース（ブドウ糖）を肝臓や全身の細胞に取りこんで血液中のグルコースを減らします。
膵臓は胃から十二指腸の後ろにあり，長さ１０数センチの海鼠（ナマコ）のような形をしています。 外分泌作用としては，アミラーゼなどの消化液をつくって膵管をとおして十二指腸に分泌します。 内分泌ホルモンは，この膵管を通さずに直接血液中に分泌されます。
血糖値が上昇する理由
糖尿病とは，「インスリンの相対的な作用不足により血糖が上昇する病態」といわれます。 この表現はかなり的確であると思いますが，一般の方には「なんのこっちゃ」といわれるのがオチでしょう。 わかりやすく解説していきましょう。
まず，正常のパターンを示します。 インスリンは常に少量ずつ分泌され続けていて，微妙な血糖コントロールをしています。 そして，食事やジュースなどの糖質を含んだ食品を摂ると，多くの糖質（ご飯のでん粉なども）はグルコースに変化して血液中に入って血糖値を上昇させます。 うまくできたもので，血糖値が上昇し始めるとインスリンの分泌が急激に活発になり，血糖値が上昇するのをおさえます。 多く食べれば食べるほど，たくさんのインスリンが分泌されます。 若いうちは少々食べ過ぎても，膵臓も若いのでそれに見合ったインスリンを分泌してしっかり血糖をさげてくれます。 ただし，この時すでに高インスリン血症という病態にあります。 この高インスリン血症という状態や，肥満（体脂肪が多い）の状態があると，せっかくインスリンが分泌されていても，それがうまく働いてくれなくなってきます（インスリン抵抗性の出現）。
そして，ここが重要なのですが，ある程度年をとっても同じような食生活をしていると，膵臓がだんだん老化してきて（疲弊）食事摂取に見合ったインスリンが分泌できなくなってきます。 このとき血糖値が上昇しはじめ，毎年検診を受けている人なら「糖尿病の疑いがありますね」と言われるでしょう（２型糖尿病）。 多くは中年で発病します。 さらに放っておくと，糖尿病はどんどん悪化して，インスリン分泌能もますます低下し，インスリンがほとんど分泌できなくなります（１型糖尿病）。 こうなってしまうと，インスリン注射をしないと血糖コントロールが全く不可能となります。 さらに分泌低下が高度になると，インスリン注射でも血糖は大きく変動して，コントロールが困難となります。
糖尿病の分類
ここで，糖尿病の分類を示しておきましょう。
Ａ．１型糖尿病
若年発症のIDDM（インスリン依存型糖尿病）もこれに含まれます。 １型は膵臓から全く，または殆どインスリンが分泌されない型で，インスリン注射が絶対に必要です。 IDDMはほとんどが20歳までに急激に発病する糖尿病で，ごく短期間のあいだに膵Ｂ細胞が破壊されてしまいます。 この原因は，ウイルス説や自己免疫説がありますが，はっきりしていません。 また，２型糖尿病から１型に移行する場合も多く，血糖コントロールが長年悪い方や，糖尿病の内服薬（スウホニルウレア剤：ＳＵ剤）を何錠も長期間使用している場合に多く見られます。 これは，高血糖やSU剤が膵臓を疲弊させるためです。
Ｂ．２型糖尿病
これは，最もポピュラーな糖尿病の状態で（NIDDM：インスリン非依存型糖尿病），前記の食べ過ぎ・肥満によって発症した糖尿病です。 この時点では，まだ膵臓の機能は比較的保たれていますので，食事療法や運動療法，内服薬で血糖コントロール可能な場合が多いです。 このなかでも，初期の段階では普通の人よりもインスリンは多く分泌されていて（ダイエットだけでよくなることが多い），ダイエットを守らないと徐々にインスリン分泌は低下してきます。
Ｃ．その他
このほかに，妊娠によって発症する糖尿病や，膵臓の病気・膵臓の外科的切除などで糖尿病となる場合などがここにはいります。 妊娠している間は，病院や助産院で，尿検査や血液検査で，妊娠中毒症と同時に糖尿病が出ていないか必ず調べてくれます。